芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

七年の後に その24

冬だというのに

頭の中で また

蝉が鳴いている

 

 二〇一四年七月十九日の夜明け 妻悦子が緩和ケア病棟で永眠して

 お昼頃 棺で我が家へ帰った日、

 庭の木で 

 いやに騒がしく

 蝉が合唱していた。