Ⅰ
きょう ボクの家からえっちゃんは転居した
極楽に住む えっちゃんになった
いや それとも 地獄に住む⁈
Ⅱ
待て ちょっと違う
あの世の極楽は えっちゃん
この世の地獄は おまえ
Ⅲ
世の中は
わからないことだらけ そうじゃないだろうか
少なくとも ボクには わからないこと いっぱい
でも
えっちゃんと
ボクは
愛しあったまま あの夏の未明に別れた
これだけは 確実だった
*写真は、二〇二六年七月十九日、日曜日朝九時前の芦屋浜。やはり、愛犬ジャックと三人でよく歩いたこの浜辺に引きつけられて、やって来た。
何故だろう。彼女の去った十二年前のあの夏の日は、暑くはなかった。暑い思い出はなかった。いや、暑さを感じることさえ出来なかったのだろう。それほどまでに、彼女の一か月余りの死の時間に打ち砕かれていた。
死後一か月足らずで、「ふたりだけの時間」という作品を書き上げた、私にとっていまでも最も大切な作品を。おそらくこれからも、そうだろう。あなたの骨を前にして、狂ったままペンを走らせ、八月十五日に書き終えたあの作品。