芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

穴から煙が出ていた

脳の中では あの世も この世も なかった   右側では 足の裏がない亡妻が歩いていたが 左では 青いサンダルをはいたあの女がタコのように笑っていた ふたりの髪は入り乱れ 合流し 歪み あたりいちめん 亀裂が走っ