芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

何もなかった

死が近づいているのだろうか すべての顔が消えていた   一枚 一枚 はがれ落ちて 最後の一枚は 自分の顔だった

離脱体験

 これから語ることはまったく個人的な事柄なので、さまざまな一般論から物事を考えたり感じたりする方には、不向きな話だった。ひょっとしたら私だけの特殊な体験なのかもしれない。  前置きはこれくらいにして、先月の二十五日土曜日

ミモザの花

 きのう、お友達から黄色いミモザの花をいただきました。  さっそく、ダイニングルームの東窓の飾り棚にいまも祀っているえっちゃんとジャックとアニーの骨壺の前を彩ってくれました。  こまやかな情感が漂っている花、わたくしはそ