芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

心が明るくなる

 断崖だった。……  未明、いちめん、寝起きの頭のようにぼさぼさした荒地を歩き続けていた。あちらこちら、まばらな枯れすすきが、風もない無音の状態で、ふにゃふにゃ、ふにゅふにょ、巨大な糸みみずになって蠢いていた。  眼下は