芦屋芸術|芸術誌・現代詩・小説

体を愛して

         ―Sに

 

 

心は嘘つき

心には永続性があるの

長い間生き続けるの

肉体は死んでも

生き続けるの ずっと よ

そうよ

心は永遠よ

なんて

ありもしないことを

ペラペラ

おしゃべりするもん

だから

嘘つき 心は

あしたは何を

おしゃべりするやら

いやはや

一時間後には

別なことを平気で言ってやがる

 

けれど

見て

このあたしの体

全部 あたし

嘘なんてつけない

一回限りよ

ねえ もっと 見て

束の間

この世に迷って

消えてゆくの はだかのまま

だから

愛して

永遠じゃなくっていい

いまだけでいい

このあたしの体

わかってるの

心が

君は永遠だなんて

嘘をついても

気にしない

もう 怒らないから