芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

ハノイまで

3月12日(土)。
ホテルを午前8時過ぎに出て、アンコール・トムへ。

アンコールは都市国家、トムは大きいという形容詞で、アンコール・トムは大都市国家という意味。高さ約8m、周囲約12kmのラテライトの城壁で囲まれている。南大門からバイヨン、パプーオン、ピミアナカス、象のテラス、ライ王のテラス。
1177年、メコンデルタを中心に勢力を持っていたチャンパに王都アンコールは一時占領されるがすぐに取り戻した後、バイヨンなどを創建したジャヤヴァルマン七世の統治下で空前の繁栄を。この寺院の第一回廊の壁にはクメール軍とチャンパ軍との戦闘がレリーフで絵巻物のように表現されている。

彼の死後、13世紀にシャムのアユタヤ朝が進出、1431年、ポニャー・ヤット王はアンコールを放棄、都をプノンペンへ。これ以後、アンコールは徐々にジャングルの闇へ沈んでいく。1860年、密林に埋もれたアンコール・ワットをフランスの博物学者アンリ・ムーオが発見するまで。

ちなみに、先に登場したチャンパは1471年にベトナム軍に敗れ、滅亡。また、1351年ラーマーティボディ一世が興したシャムのアユタヤ朝は、海外貿易も盛んになり、日本からは御朱印船が来航、日本人町も造られ、山田長政らが活躍した時代もあったのはおおよそご存知だと思うが、1767年、ビルマ軍に猛攻され陥落、滅亡。余りに徹底して破壊されたため都はほとんど影も形もないといわれ。。

昼食時、津波で日本はもうダメだ、ひょっとして原発が、真顔で議論している日本人観光客もいる。

午後、アンコール・クッキー店へ。日本人マダムサチコが2004年4月に開店。アンコール・クッキーを買って店内をぶらぶらしていると、紙を固めて黒ずんだ砂岩の彫刻のように仕上げた幅13cm、高さ30cmのタイトル「バイヨン デバター」2010年作を30ドルで。今それは棚の上に立って我が家の居間を見下ろしている。

シェムリアップ発18:05、ベトナム航空VN-842。ハノイ、ノイバイ国際空港19:45着。

着後、夜のハノイをバスで走ってシェラトンハノイホテルまで。フォーの夜食。