芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

アルファさん 第十一夜

 余程疲れていたのだろう。昨夜、八時ごろ寝てしまった。目覚めたら、もう朝の六時。十時間、眠ってしまった。こんなことは、久しぶり。アルファさんはやってこなかった。きっとボクの疲労を癒すために、会いに来なかったに違いない。そっと眠ったままにして。

 いや、そうじゃない。アルファさんも疲れているのでは。毎晩ボクと逢引するなんて。たまにはひとりがいいよ。また会いたくなるために。一日くらい、ひとりぼっちもステキ。そうつぶやいているのでは。

 

 とにかく、十時間、暗黒の中に横たわっていた。

 寝台の上で死んだように。

 まるで泥だった。