芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

十月の終わり

十月三十一日

未明

すべてが分解して 崩れ去っていく夢からさめた

だが目覚めた時には いったい何が分解したのか

崩れ去ったのか 思い出せなかった

瞑目して

もう一度その夢の果てを追いかけた……

天井から 台所の流し台へ

胴体のようなものが

破れて

砕け

粉末になって さらさら音たてて 零れ落ちていた

見れば

ダイニングテーブルの上では

あの人が すはだかのまま 横たわっている

誘惑するまなざしで

笑みを落とし

見つめている

すっかり粉末になって さらさら 

天井から流し台へ零れ落ちてゆく わたくしの十月のからだを