芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

流れ去り 消えてゆく中で

ものみな流れ去り 

消えてゆく

 

だが 決して

それは川のことではない 無常の表現ではない 

 

未明 三人の女の

手 脚 首 胴 耳 乳房 唇など

 

そして 頭から毛 足指の先まで バラバラになって

虚空に浮かび 入り乱れ まき散らされ 

 

一瞬 画面全体が真っ赤に染まって

消えた

 

わたくしが愛した三人の女

こうして三つの秘密を宿したまま みんな消えていた

 

足音さえ絶え わたくしの激しくどす黒い愛欲は

三つに裂け

 

そこから絶望の墨が噴き出した

墨の中で 悶え 泡があふれ 横たわる未明だった 

 

わたくしたちが交わした三つの秘密が 解体して 流れ去り

消えてゆく中で