芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

 ワイフがなくなってもうすぐ二回目のお正月を迎えようとしている。しかし、まだ、ダイニングの東窓の飾り棚にワイフの遺影と骨壷が。まわりはにぎやかな花々。

 お骨は気がすむまでここに置いておこう。

 きのう、ワイフのお友達と電話でおはなしをして……あたしの知り合いで、お母さんがなくなり、お骨をずっと置いていて、お父さんもなくなって、ふたりのお骨をいっしょに樹木葬に。土の中には、お骨がとけてなくなってしまう場所があるんだって、いっしょに土へ還っていく……ヤマシタ君、これどう?

 いいじゃん。ボク、いままで息子たちにお願いなんてしたことないけど、遺書がわりに、まず、「お願い」と書いて、「ワイフ、愛犬ジャック、愛猫アニー、そしてボクの骨、みんないっしょに、樹木葬にしてください。人骨と動物の骨をいっしょに埋葬できないといって業者さんに拒否されたら、みんないっしょに海に撒いてください、えっちゃんも、生前、散骨か、せいぜい樹木葬にしてください、そう言ってました、君達にいままでお願いをした記憶はほとんどありません、が、どうかこの最後のお願いをきいてやってください。父。」