芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

四つの断片から

 第一の断片 光の小川

 

月光は呼び出される

森はふたたび明るくなる

ひとすじ 照らされる 小道

あたかも光の小川のように

 

 

 第二の断片 暗くなる

 

雲が切れ

月の下

 

山と谷が向かいあう

深淵から叫ぶ風

 

もう一度 雲に包まれて

ほがらかな顔が暗くなる

 

 

 第三の断片 滝が落ちる音

 

夢は白い穴になり

湖が輝きながら流れ入る

 

星座の中へ滝が落ちる音……

 

 

 第四の断片 風に消えながら

 

道は留まり

足跡は歩む 風に消えながら

 

 

*二十六歳のノートから