芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

「恋愛詩篇 えっちゃんの夏」が完成しました!

 おおよそ八年半の歳月の中で、この作品は完成した。

 

 「恋愛詩篇 えっちゃんの夏」 山下徹作 発行所 芦屋芸術 2023年4月1日発行

 

 二〇一四年七月十九日、妻悦子が永眠した直後、私は病床日記風の作品「ふたりだけの時間」(「別冊 芦屋芸術」2014年9月2日発行)を書いた。この作品が中核になって「恋愛詩篇 えっちゃんの夏」は成立した。

 もちろん、私と妻との生きた事実を根底にしているが、それを言語という生きた事実とは違った物で表現している限り、ある男と女の独自な一回限りの愛と死、また、その死にともなう愛別離苦を言葉に結晶して物語った作品だった。

 表紙絵は長男山下哲胤、扉絵は清位裕美、彼女は紫の桔梗を描いてくれたが、言うまでもなくその花言葉は「永遠の愛」、そして妻悦子が死の前年に撮った愛犬ジャック・愛猫アニーの写真でこの本を飾ることが出来た。感謝したい。