芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

親水公園にて その40

死別したあの人は

記憶だった

 

記憶だけで

生きていた

 

だから 記憶しているこのわたくしが死ねば

あの人はもうどこにもいない

 

 

*親水西公園の東端。正午。池のほとりに赤い彼岸花がいっぱい咲いていた。曇り日で、蒸し暑い中、黒いサファリハットを頭にのせて歩いていた。