芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

カメさんの朝ご飯。

 きのう冬眠から目覚めた私のライフパートナー、イシガメさんは、はやばやと今朝、午前八時ごろ、ご飯を食べました!

 まあ、ご飯とはいっても、私は生物に関してはまったく音痴で、事実、学生時代、生物の成績は極端に悪かった、というか、全教科、めまいがするほど不甲斐ない成績だったが、それはともかく、カメさんのご飯は手作りではなく市販されている商品に過ぎなかった。

 ドイツのテトラ社のレプトミンで、我が家のカメさんは幼児から現在までの三十三年間、冬眠以外の歳月をこのご飯だけで充分生活を楽しんできた。それにひきかえ、ニンゲンという生物は限りなくゼイタクだった。例えば私の場合、この世で、スマホで写真を撮ったり、文章を書いてみたり、また、海外旅行やゴルフをしたり、あるいは、狂ったように異性を追い求めたり、とにかく、衣食住では事足らず、そんなことまでして生活をむさぼり味わい尽くしたい! 事程左様にこの世に執着してきた。

 かくて、カメさんと、三十四年目のお付き合いが、始まった。

 

*写真は、けさ、ご飯を少し食べた後、私の人差指に戯れるカメさん、です。