芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

夜の海

なるほど

この坂は

なだらかではあるが

いつまでたっても

下降するばかりだった

けっして

全身 おおげさな身ぶり手ぶりで

崩壊するのではなかった

崩壊する前に

すでに沈んでいるのだった

両手 両足に

海の藻がからみついていた