芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

肉に花火

昨夜、N夫妻がやって来た。去年もそうだったが、我が家で焼肉パーティー。その後、午後八時前から始まる芦屋の花火大会。去年は、ボクとワイフ、N夫妻の四人だったが、今年は東京マザーが参加している。N妻(エヌヅマ)のご指導で、ホットプレートでマトンにクミンを振りかけて焼く。ウマイ。中国の回族風味。

要介護2。マザーはボクはおろか長女である我がワイフの名前でさえほとんど忘却するだろう。だが、ワイフが昨夜の花火、綺麗だった? マザーの右耳もとでたずねると、キレイダッタネ、焼肉おいしかった? オイシカッタ。つまり要介護2のレベルの認知の場合、家族関係はまだらに忘却しても、トテモ美しかったもの、トテモおいしかったものは、翌朝まで鮮明に覚えているのだった。

肉に花火。東京マザーの記憶力。