芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

夜明けの頭

どこか違うところへ出かけている頭

いったい何がしたいかわからない頭

ひとつの頭だけで五、六人が会議する頭

この頭

迷子になった頭!

午前一時からゲラゲラ笑いつづける頭

天井に浮かぶ頭

ああ この頭

ふすまを唇でくわえて開ける頭

玄関をすり抜ける頭

靴を置き去りにして 午前二時の路上を走る頭

この頭 この頭 この頭

困惑して

ぶつくさ呟きながら

未明 胴体だけで探しつづける

夜明けの頭よ