芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

芦屋浜・夜

 このところ雨や曇った日が続いていたが、きょうは昼間晴れていたので、待ちかねて、夜の八時半頃、ボクは芦屋浜へ出た。我が家の周辺は街灯で明るく、暗い浜辺で空を見上げるのが、綺麗だ。

 満月と木星が近づいて愛を語り、その右側でさそり座のアンタレスが赤い顔で。……東北東のベガを頂点にして、北東の低空にデネブ、東の低空にアルタイルがいて、あの夏の大三角が光っている。

 芦屋浜の上天には、北斗七星とアークトゥルス、そしてスピカが春の大曲線を描き、その西側にデネボラが参加して春の大三角が。西の空にはレグルスが白くつつましくキラめいている。

 夜空はほんのりかすんでいるが、九月二日生まれのボクの彼女、えっちゃんの星、乙女座のスピカは、「とんちゃん、もう春は終わったよ」、そう語りかけてくる。