芦屋芸術|芸術誌・現代詩・小説

なにもかも なかったけど

庭に原色の花が開いている

まっ赤 真っ青 小山になって盛り上がって

 

誰が植えたのだろう

植えた記憶なんてないのに

 

そう呟いた瞬間

眼前に ねずみ色の複雑な針金細工が浮かんでいた

 

踊りだした

脚のない黒いスカートが 円形に回っている

 

顔のない唇が

紅の花びらにぴっちゃり吸い付いている

 

なにもかも これっていう意味なんてなかったけど