芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

もうあきらめていた。だが……

 夕方、芦屋浜まで出た。きょうの昼間は晴れていたので、ボクは期待に胸をふくらませていた。  けれども、すっかり裏切られてしまった。空は薄曇り、星はなく、細い月だけがボンヤリ浮かんでいた。  何度も振り返って月を見上げなが