芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

芦屋ビーチクラブ その81

 やはり日曜日の朝は雑草を抜いていた。いつも作業中、余計なことばかり頭に思い浮かべてしまうが、きょうはほとんど無心に雑草を抜き続けた。

 あえて「ほとんど」と断っておいたが、というのも、雑草を抜きながら、私は「雑草」という名で呼んでいるけれど、きっと彼等にもひとりひとり草の名がついているのじゃないか、そうじゃあるまいか。植物に精通している人なら彼等を「雑草」と呼ばず、ナニナニ草と呼びかけているに違いない。こんなことを考えながら、きょうも私は「雑草」を抜いていた。

 

*写真は、東北端付近から撮った芦屋浜の東南端。朝九時前。深いブルーの海と空。ときたま訪れるさわやかな風。きょうも昼間は真夏日になるかもしれないが、ここにはもう秋が来ている。