すべては体内へ復帰する
こんな一行が頭に閃いた
わたしはこの歳になって
もう冗談なんて言うつもりなどさらさらない
晩年はとても生真面目に生きていたい
ところで
さらに閃光が頭の中を駆け抜け
二行の言葉の足跡を残して走り去った
見よ 新しい哲学が生まれた
ものみな体内へ回帰する
このあとはなかった
何も具体的な世界は見えなかった
いまさら言うまでもない
すべての新しい哲学と同様
この哲学も問題提起だけで終わった
思えば 本来 人間の頭って
その程度のものだった
けれど 今夜も ちょっとした思想をサカナにして
楽しい酒を飲む時間が出来た