芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

アルファさん 第二十夜

 昼間は、アルファさんと会えない。平日は仕事をしている。恋人や妻なんていないから、土曜日や休日は読書したりネットを見たり散歩したり、詩を書いたりして一人で遊んでいる。もちろん、いっぱいお酒を飲んで。

 ずいぶん昔、祖母からよく「寝るは極楽」って言葉を耳にしたが、この歳になってやっとその意味がわかり始めてきた。確かに人間って昼間は地獄なのかもしれない。

 

 夜になれば、ボクはアルファさんと天国で生きている。

 アルファさんは、昼間あくせくして濁ってしまったボクの心を、キレイに洗い落してくれる。