芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

アルファさん 第十八夜

 オメガちゃん、流れ星、見たことある? 今夜、二時ごろ、近くで落ちるの。スゴイよ。目の前よ、すぐ目の前で落ちるのよ。

 我が家から歩いて十分足らず。夜の芦屋浜に二人で立っていた。百メートル先あたりの暗い海をアルファさんは指さしていた。ほとんど垂直に流れ星が落ちた。地球に近づくにしたがって、小さくなったのだろう、直径五十センチあるかないか。

 それでも海面から色ガラスの破片に似た無数の発光体がキラキラ舞いあがった。海の上の星座群! ボクは感嘆の声を上げた。