芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

アルファさん 第十四夜

 アルファさんの住んでる国へ、よし、一度旅行してみよう、ふいにボクは思いたった。空飛ぶベッドに乗って。

 そんな願いを心に秘めて、眼を閉じた。無音のままで、スーッと持ち上がって、屋根がポッカリ開いた。飛び出した! 一瞬だった。すべては光の束だった‼

 

 そうだ。アルファさんは光だった。この世に住む人が持っている姿や形などなかった。無色無形だった。常に光を放射していた。アルファさんだけじゃない。ここではみんな光を放射して生きているのだった。そして、死なんてなかった。光り続けていた。

 アルファさんは永遠発光体だ!

 思わずボクは叫んだ。