芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

「鳥」第85号(最終号)を読む。

 榎本三知子さんから詩誌が送られてきた。

 

 「鳥」第85号(最終号) 編集者/佐倉義信、なす・こういち、元原孝司 2023年12月30日発行

 

 この号で、詩誌「鳥」は終刊する。1983年創刊から丁度四十年間続いた詩誌だった。もともと日本では古くからある俳句や短歌に人気が集まり、西洋由来の詩を楽しむ人は少ない。敗戦によって生じた連合軍による日本国家の解体から始まる西洋に影響された革命思想や現代詩の支持者も、恐らくこれから年齢の事情などを考慮するとその関連の文章はますます書き手・読み手が少なくなっていくのかもしれない。

 従って、詩を書き、詩を読むことは、いよいよ貴重な経験へと純化されていくに違いない。その結果、従来にないステキな作品が創作されてくる……この詩誌を読み終えて、ふと私はそう思った。