芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

亀と遊びながら

 この土曜日、日曜日は忙しくて亀の世話が出来なかった。月曜日か、遅くとも火曜日にはやらなければならない、そう自分に言い聞かせて日曜の夜ベッドに横たわった。

 スマホを見ると、午前三時。ヨシ。きょう亀の世話をしよう。私は顔を洗いながら頭の中でそんな独り言。本を読み、朝ご飯を食べ、花の水替え、そして庭の掃除が終わると午前七時十分前。私は亀の池の掃除を始めた。

 掃除を終えて、七時半ごろから亀と遊びながら、「見送るために」、何故かそんな詩が頭に浮かんでくる。

 

 わたしは 愛妻えっちゃんを見送り

 その後

 残された

 愛犬ジャックを

 愛猫アニーを

 見送った

 わたしって 見送るために生まれたのか……

 

 いま 庭の池に三十四年 亀だけが生きている

 

 

*写真は、私と遊ぶ亀。背景の左側に見えるアメジストセージとサルビア・アズレアは妻がずいぶん昔に植えた花で、彼女がいなくても九年間、毎年咲いてくれる。