芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

亀と花

 きょうは庭の水撒きをした後、亀の池の掃除に取り掛かった。午前八時前。朝夕は少し涼しくなってきたが、それでも作業をしていると汗だく。

 午後からある詩人の出版記念会に梅田まで出かけなければならない、そんな思いがふと脳裡に浮かんだ。ワイフが生きているときは彼女と遊ぶのが楽しくて、四十代を過ぎてからはビジネス以外二三の人を除いてほとんど他人とは付き合いがなかった。

 とはいえ、いま遊んでいるこの亀とは三十四年間付き合っている、人間とは言えないが。人間以外なら、もうすぐ亡くなって三年になる愛猫アニーとは二十年お付き合いした。七年前に亡くなった愛犬ジャックとは十四年近く親しくした。

 また、最近ご夫婦のカラスが帰って来た。この一か月くらい毎日朝夕二回はやって来る、一年ほど姿を見せなかったのに。そればかりか、我が家はスズメ御殿になっていて、毎日とてもにぎやかで……イヤハヤ、あらぬ方まで意識が流れてしまった。綺麗になった池に亀を戻してやると、九時だった。

 

*写真は、我が家の庭で遊ぶ亀。左後方の鉢植えの白い花は亡妻の遺品。水遣りくらいしかやってないけれど、毎年清楚な姿を見せてくれる。