芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

九年目の骨壺

九年前に死んだ

あなたの骨壺を前にして

ダイニングテーブルの椅子に座って

今夜は ながいあいだ 考えていた

なんのことはない

疲れただけだった

いや

疲れるために

考えこんでいたのだろう

とにかく

もう 生きることにも

死ぬことにも

興味は失せた

骨壺を前にして

ダイニングテーブルの椅子に座って

ながいあいだ 考えこんでいた

それが結論だった