芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

無言のまま、立ち去る。

あなたに何を話そうか

迷っていた

 

ほんとうは

申し訳ない気持ちでいっぱいだった

 

こんなにもたくさん

お話したいことがあったのに

 

立ちすくんでしまった

これがわたしのはだかの心だ

 

なぜひとことだけでも

言わなかったのだろう

 

この心

はだかになったわたしの心には

 

あなたに贈ることば 贈りたいことばは

もう何もなかったのだろうか

 

一礼して

無言のまま 立ち去った

 

まだ愛してると

心に つぶやいて