芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

ごらん

わたしは、夜ごと、頭の中をさぐりまわっている。すみずみまで。たまには、そこからはみだして、首すじをたどり、はらわたをなめて、足のつまさきまでたずね歩き、足と指のつぶやきを聴いては、じっと耳をすまし、彼等の言葉をノートにつづっている。

 

 夜ごと 書きつらねるは

 頭のことば

 首のことば

 はらわたのことば

 足のことば

 また 指のことば

 ごらん 全身からことばが落ちていく