芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

仏ヶ浦、2010年9月13日

蟹田港からむつ湾フェリーで脇野沢港へ。そこからバスで佐井港まで走り、観光船で仏ヶ浦まで。

パンフレットによれば、大正11年にこの地を旅した大町桂月は、「神のわざ鬼の手づくり仏宇陀(仏ヶ浦)人の世ならぬ処なりけり」と詠ったらしい。現地では大きな岩石で造られた歌碑が建っている。ただ以前僕が見た北米のグランドキャニオンや中国の桂林やトルコのカッパドキアのようなスケールはなく、日本流の箱庭奇岩群といっていい侘しさがある。つまり箱庭的美と悲哀が好きな日本人にはおススメなのだ。

ふたたび佐井港に帰って、バスで本州最北端・大間崎へ。ここは数年前テレビドラマのロケ地になったみたいで、テレビをほとんど見ない僕にはわからなかったが、うら悲しい本州の突端にほんの300坪余りの賑わいがある。やはり何本か碑が建っており、みやげ物屋や屋台が申しわけ程度に並んでいる。どうやら僕には屋台で売っているマグロとウニを肴にしてビールを飲んだ映像だけがぼんやり脳の片隅に残っている。

バスに乗って南へ下り、今夜のお宿は薬研温泉。