芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

亀、三か月の眠りから覚めた!

 去年の十二月に冬眠に入ったふたりの亀。ふたりとも元気でした!

 朝、すべての家事を終わらせて七時半、バケツの中で腐葉土に潜って眠っている彼等を起こしました。水洗いして、池のレンガの丘の上に置いてやりました。

 去年までレンガの丘はひとつでした。けれど十一月になって捨てられっ子が我が家にやって来ました。きのう、池の掃除をした際、レンガの丘をふたつにしました。というのも、私は今まで五匹の亀と一緒に生きてきましたが、亀同士ケンカするのを知っています。一番強い亀が相手の亀のシッポを噛みちぎって威嚇します。こうして彼等の順位を決めるのでしょう。それ以上のことはやりませんが。

 私は無学な男で生物学など音痴ですが、類推するに、ニンゲンと亀は近似した遺伝子を持っているのではないでしょうか。生命の根底は大同小異なのかもしれません。しかし、外形や生活状態はかなり異なっています。そればかりか、亀の心と人の心も大きく異なっていると言っていいでしょう。もっとも異なっている点の一つは、これです。

 

 亀は 亀を殺さない

 人は 人を殺す