芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

親水公園にて その36

 午前二時過ぎ、まどろみの中で脳裏に言葉が浮かんでいた。ベッドから身を起こし、忘れないうちにそれをノートに書き写した。

 

 あなたと

 死別して

 八年がたって

 わかったことが 

 

 ひとつだけある

 ニンゲンには

 ワタシには 

 いつ自分の死がやって来るのか わからない

 

 当たり前の話だが 突然あなたを喪って

 それが 身に沁みて わかった

 だから きょう いちにち ニンゲンだけでなく めぐり会ういのちを

 

 ワンちゃんも ネコちゃんも すべて愛して生きること 

 あなたを愛したように 他のいのちも

 大切にして 愛して おまえ狂ったか そう言われるほどに

 

 ここで私のペンは止まった。ツマラナイ文章だった。スッカリ白けてしまった。トテモもう一度眠れそうになかった。ノートを閉じて、勉強机から離れ、寝室を後にした。いつものように台所で長男とわたしの朝食の準備をし出した。

 

 

*今日は曇天で、風もあり、涼しく、午後一時過ぎ、芦屋浜の浜辺まで歩いた。砂と水の境をスマホで撮っていた。