芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

亀の海外旅行

 けさ七時半ごろから亀の池の掃除を始めた。あすも休日なのでどうしようか少し迷ったが、台風十四号が近づいている様子で、きょうにした。

 余談になるが、この三連休の家事として、きのうは家の掃除だった。階全部と二階の亡妻の部屋を掃除している。二階の他のスペースは長男の管理下にある。私は月一回家の掃除をするが、おそらく彼は年数回ではなかろうか。でも、まあ、統合失調症にしてはよくやっている方じゃなかろうか。ちなみに、あすは台所の流し台の掃除予定日だ。

 本題にもどすが、確か聖書では、熱くもなく冷たくもない者を否定している(ヨハネ黙示録第三章十五~十六参照)。しかし、少なくとも亀は違う、私はそう主張する。何故か。言うまでもなく冬の冷たい日々は、彼は冬眠している。それなら暑い夏はどうだ。……私は池を洗っている間、亀を自由に庭で遊ばせている。夏場の暑い盛りではどちらかといえば私のそばにいておとなしくしていた彼が、いま、夏の終わりが来て、涼しい風が庭を流れ始めると、俄然、活発に庭を探検し出した。遂にレンガの柵越えを決行、危ない、道路まで飛び出した! 亀さんの海外旅行‼ 私はあわてて追跡、彼を逮捕したのは言うまでもない。