芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

七年の後に その21

 昨夜、雪が降ったらしい。私が起床した午前三時頃には既に止んでいたが、ガラス戸を覗くと、部屋から漏れる明かりや街灯や門灯に浮かんで、我が家のウッドデッキや門前を走るアスファルトの路面やらあちらこちらウッスラ雪に覆われていた。

 私が小さかった頃に比べて、この地方はメッキリ雪が少なくなっている。現在の子供達には雪は珍しい氷菓子に違いない、けっして甘くはないのだが。六甲山もメッタに白い帽子を被らなくなった。

 昨夜は風も強く吹いたのだろう。庭に落ち葉がずいぶん撒き散らされている。朝の七時前、私は庭掃除を始めたが、明るくなった六甲山の上天に、十七夜の月が残っていた。

 

 うす青い西空に

 昨夜の立待月