芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

湿気た赤いミニバラが、散り急ぐ

 私事になるが、きのうは私の誕生日、きょうは亡妻の月命日なので、仕事を休み、ひとりだけの時間を作った。

 五月に入って、わが家のウッドデッキ東側に今年もまた亡妻の遺した赤いミニバラがいっぱい咲いている。

 しかし、例年になく、余りに早い梅雨が来た。湿気だらけの、じっとりした毎日だった。……

 

 五月の半ば過ぎ

 明け方から闇夜まで

 長雨に打たれ

 たくさん水をふくんで

 ほとんど自らのだぶだぶした重さで散ってゆく

 糜爛した

 ぼっさり深い

 赤色