芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

山本要著「大団円」を読む

山本要著「大団円」(文芸社)を読みました。ご近所のワンちゃんの散歩仲間のご子息が書かれた小説です。中国に進出した日系企業を舞台にしたビジネス現場と、うつ病の息子をかかえるその企業の広州支店長の家族の物語の二重構造で構成されています。現在の中国問題と家族問題を考える上でも、貴重なヒントを提供していると思います。それはおそらく、中途半端ではない著者の現実の中国体験の重さと苦悩にしっかり裏打ちされているからでしょう。

山本要 著 「大団円」(文芸社 2013年1月15日発行 1,300円+税)