芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

アニーが永眠しました。

 アニーが我が家にやって来てから、もう十九年と八ヶ月余りが過ぎていました。亡妻「えっちゃん」がご近所から彼女をいただきました。飼う人がいないので、預かってください、そういうことでした。けれど、アニーを一番かわいがっていた「えっちゃん」は六年前の七月十九日にこの世を去りました。

 アニーは先月の終わり頃から余り食べなくなり、十一月に入って、二日の月曜日、まったく何も食べなくなって、水だけを飲む毎日でした。私に出来ることは、彼女に水をやり、ネコちゃんのトイレで体を支えながらオシッコをさせ、時折、左半身で寝ているのを右半身に変えて寝返りをさせて体を楽にさせて、また、アゴの下をゆっくり撫でてみたり、耳もとでアニーアニーとささやいてみたり、毎朝抱っこして「えっちゃん」の遺影にオハヨウしたり、結局、そんな毎日でした。

 数日前から、きょう、十九日にアニーはこの世を去って行く、私はそう確信していました。十九日は、「えっちゃん」の月命日でした。