芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

穴が空いている。

 きょう、夜明け前の五時過ぎ、新聞を取りに行こうと玄関の扉を開けると、東の空に金星、そのやや上方の右側に木星、その右にさそり座のアンタレス。そして下弦の半月が彼等を見おろしている。空全体は曇っていて星はまったく見えないけれど、東空のその部分だけが、雲が切れていて、ぽっかり穴が空いている。