芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

雨の中のカアカア

 激しい雨の中をカアカアが来た。いつものウッドフェンスの縁にとまった姿、それは頭から雨水を浴び、まるで小さな黒い蓑傘が立っていた。六月十九日午前五時二十二分。亡妻悦子の月命日だった。  私は戸棚からキャットフード用のポリ