芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

山口勇子の「荒れ地野ばら」

 この物語は、広島市にある清栄女学院で同じクラスになったふたりの女性、野田槇子と堀井芙由、彼女らはふたごと間違えられるくらい似かよっているのだが、このふたりが、一九三五年から一九四五年の十年間、いったいどのような世の中を