芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

「ブッダのことば」

 意外ではあるが、この書には慈悲への言及が極めて少ない。慈悲を主題にしているのは、本書の33頁から34頁にかけて、「第一 蛇の章、八、慈しみ」だけである。まだこの頃、覚者(仏)の慈悲というはっきりした考え方はなく、世間で