芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

北村順子の短篇集「晩夏に」

 一気に読んでしまった。一言でいって、常に前進する時計の時間ではない、収録された九篇の作品を読みすすむにつれて、生きている時間が流れてきた、登場人物たちの現在と過去の落差、その切り口に無音の血が零れている、そんな生きてい