芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

リード

愛犬ジャックと散歩の途中

あなたは

ちょっと

スーパー寄っていい

したい買い物があるの

 

出入り口のガラス扉から

客の邪魔にならないように

十メートルくらい離れて

五分だろうか 十分だろうか

わたしは待っていた オスワリしたジャックと

 

あなたの姿がガラス越しに見えた

途端に ジャックは立ち上がり 尻尾フリフリ 一目散に

ガラス扉へ わたしを リードで引きずりながら

そんなあなたもジャックも もういない 十年余りたって

廊下のクローゼットの片隅に あの リード