芦屋芸術|芸術誌・現代詩・小説

怪我の功名

彼女 あなた、外反母趾って、知ってる?

 それって なに?

彼女 若気の至りなの。綺麗な足に見せようとして、先の尖ったハイヒールはいてたから、親指が小指の方へ曲がっちゃったあ。

 痛い?

彼女 まだ少しだけ。ホラ、見て。今はこんな平べったい靴しか履けないの。ちょっと、見て。

 

 彼女は彼の膝の上に右足を投げ出した。けれど、足ではなかった。スカートの奥に光る太ももを彼は見つめていた。