芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

耳地獄

 行きたければ行けばいいだろう、そう言われた。間違いない。俺の耳にははっきり突き放すような言葉を投げかけた彼の声が残っている。後になれば誰も信じてくれないばかりか、当事者、彼自身がそんなことを言った記憶はないんだって。

 こんな馬鹿げた話があるだろうか。俺だけじゃない。あと三人、その場にいたんだが。みんな記憶にないって言いやがって。いざとなればこんなものさ。俺たちは耳地獄に生きているのさ。

 

  耳が かゆい

  だけど

  かくな

  かけば

  血が出る

  膿が出る

 

  でも地獄って とても ステキじゃないか この耳遊び