芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

小さな人

 頭の中に白い花が咲いていた。右耳のそばあたりに。

 だんだん、右耳から頭頂へ、頭頂から左耳のあたりまで、花が咲き乱れてきた。

 小さな人がいて、花を摘み、大きな花束を抱えて、口から出ていった。

 目覚めると、頭の中はすっかり綺麗に、空洞になっていた。