芦屋芸術|同人誌・現代詩・小説

花ざかり

 きょうはどうしても行こうと思っていた。十年前まで、もうこの世にいない悦子と愛犬ジャックと三人で花の下を歩いたキャナルパークへ。

 思った通り、あの時のようにまた花は満開だった。ただあの時と違っているのは、ひとりで歩いていることだけだった。遊歩道の東端、芦屋市と西宮市の境まで歩き、Uターンして我が家へ帰った。

 

*写真は、キャナルパークの花ざかりをとおして、六甲山をのぞんだ一枚。